2009年2月26日木曜日

フランスの世界遺産 私のお勧め


この間、世界遺産巡りが趣味という写真家の方にあいました。結構多いですよね。私は別に世界遺産巡りは趣味じゃないけれど。まあ、近くに行く機会があるといってみています。

今まで行ったところは以下の通り。四年もいるのにそんなに多くはないなあ。でも変わったところに結構いいっている気がする。小さな村の教会やら南仏の運河やら。

モン・サン・ミッシェル(フランス人と日本人の友人三人でドライブがてら行きました。思ったよりツー李スティックなところだな。。。というのが正直な感想。中に入るなりビスケット屋やクレープ屋が並んでいるのですがそれがなんとも安っぽい。修道院は静謐な雰囲気ですが、すっかりぶち壊しでした。お勧め度☆☆)

プロバン中世都市 (パリから一時間くらいのところとアクセスが良いので三回行きました。一度は中世祭りのときでかなり賑やか。小さな町ですが、美しく結構楽しめます。街の中の散歩が楽しいので初夏がいいかも。お勧め度☆☆)

ロワール渓谷 (母と妹と三人で古城巡りをしました。パリから二時間ほどと近いのに、びっくりするほど美しい風景画広がっています。古城めぐりは面白いし、ドライブものんびりで最高でした。ヴィランズリーというお城が特にお勧め。お庭が本当に造形的で見ごたえありますよ。お勧め度☆☆☆☆

カナルミディ(南仏で二回見ました。一度はカルカッソンヌ。美しいマラソンロードとして利用させてもらいました。緑が気持よくていくらでも走れます。わざわざ見に行くほどではないかも。お勧め度☆)

ストラスブール市街 (夫と友人とあわせて二回行きました。街中の散策が楽しい町です。特に何があるわけではないけど、ドイツっぽい雰囲気と運河巡りを楽しみました。木陰でビールを飲むのが最高。ご飯はドイツ風でソーセージやシュークルート。クリスマスマーケットが有名だけど、冬は寒いからやめたほうがいいかも。お勧め度☆☆☆)

シャルトル大聖堂 (ついでがあったので友人と行ってみました。パリから一時間半くらい。これだけ見に行ったらちょっと損した気になるかな?でも、街は結構かわいいので、ちょっとした小旅行に。ほかに見るところはないけど。お勧め度☆)

ヴェズレー教会 (綺麗な昔ながらの小さな村がヴェズレーです。ブルゴーニュに向かう途中でよってお昼ごはん食べました。高台から見る景色が綺麗です。教会ではちょうどミサがやっていました。素敵な村ですよ。パリから日帰りも可能。ただし電車でのアクセスは不明。お勧め☆☆☆

カルカッソンヌ (カルカッソンヌを見ずして死ぬなということわざがあるらしいです。それくらい立派で美しくロマンティックな城砦都市。パリからだと電車ではかなり行きにくいのが難。モンサンミッシェルと似ているけど、こちらのほうが断然良いです。夜景も綺麗だし、ツーリスティックじゃない。ミディ運河もついでに見られる。二泊くらいしてもいいですよ。お勧め度☆☆☆☆)

パリセーヌ川 (住んでるところが世界遺産というなんとも贅沢な。あ、京都や奈良も同じか。お勧め度ノーコメント)

ヴェルサイユ宮殿 (いわずとしれたベルサイユ。一度しか行ってません。冬だったのに以外と込んでいてそれ以降行く気を失ってます。えらい広大でした。豪華すぎてぴんと来ないくらいで意外と感動は少なかった。写真で見てるからかも。お勧め度☆☆


全ての世界遺産は↓↓↓

  • モン-サン-ミシェルとその湾 - (1979年)
  • シャルトル大聖堂 - (1979年)
  • ヴェルサイユの宮殿と庭園 - (1979年)
  • ヴェズレーの教会と丘 - (1979年)
  • ヴェゼール渓谷の装飾洞窟群 - (1979年)
  • フォンテーヌブローの宮殿と庭園 - (1981年)
  • アミアン大聖堂 - (1981年)
  • オランジュのローマ劇場とその周辺と"凱旋門" - (1981年)
  • アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群 - (1981年)
  • フォントネーのシトー会修道院 - (1981年)
  • アルケ-スナンの王立製塩所 - (1982年)
  • ナンシーのスタニスラス広場、カリエール広場、アリアンス広場 - (1983年)
  • サン-サヴァン-シュール・ガルタンプの教会 - (1983年)
  • ポン・デュ・ガール(ローマの水道橋) - (1985年)
  • ストラスブールのグラン・ディル - (1988年)
  • パリのセーヌ河岸 - (1991年)
  • ランスのノートル・ダム大聖堂、サン-レミの旧大修道院とト宮殿 - (1991年)
  • ブールジュ大聖堂 - (1992年)
  • アヴィニョン歴史地区 - (1995年)
  • ミディ運河 - (1996年)
  • リヨン歴史地区 - (1998年)
  • 歴史的城塞都市カルカッソンヌ - (1997年)
  • フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路 - (1999年)
  • ベルギーとフランスの鐘楼群 - (1999年、2005年拡張)
  • サン・テミリオン地域 - (1999年)
  • シュリー・シュル・ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷 - (2000年)
  • 中世市場都市プロヴァン - (2001年)
  • オーギュスト・ペレにより再建された町ル・アーヴル - (2005年)

2009年2月14日土曜日

エッフェル塔建設の裏舞台


今朝また雪が降った。
今年に入って何回目だろう。
こんな風に寒い夜、ふと見上げたエッフェル塔の美しさに目を奪われることがある。
鉄骨だけなのに、スラリとして優雅だ。
東京タワーに似ているのに、全然違う。

特に一時間に一度、5分ほどキラキラと星屑のように繊細に輝く姿は、
しばらく立ち止まってしまうほどだ。
長い冬ですっかり暗くなってしまう気分が、すっと吹き飛ばされる。
あ、パリが好きだな、と思えるのはこんなとき。
自分が吐く息の白さと、ぴんと張り詰めた空気。チラチラとリズミカルに輝く塔。
私にとって、エッフェル塔は、冬の日々の何か大事なものを象徴している。

さて、このエッフェル塔はフランス革命100周年記念万博を記念して作られた。
これはコンペによって決まったのだが、現在のエッフェル塔に決まるまで紆余曲折あったらしい。
いまのエッフェル塔を設計したのは橋の技術者のギュスターブ・エッフェルという人。
確かに言われて見ればエッフェル塔は鉄製の橋を縦にしたようにも見える。
この案に決定する前まで、実は別の案が決まりかけていたらしい。
それは太陽の塔と名付けられて、巨大なアーク灯でパリ全体を明るく照らすというアイディアだ。
すったもんだあって、なぜか太陽の塔は中止になり、エッフェルになった。

太陽の塔じゃなくて、本当によかったなと思う。
冬の日々に必要なのは、太陽なんかじゃない。太陽はまぶしすぎて、パリに似合わない。
雪のように繊細で、たおやかなのに逞しいこの塔こそがピッタリだと思う。


2009年2月12日木曜日

ビジュアル系本屋 assouline


パリの本屋は本当に個性的。
古ぼけた辞書のような味のある古書やもあれば、
現代的でパリッとしたビジュアル重視の本屋も結構ある。
私はフランス語が得意、とは口が裂けても言えないのでフランス語の本を買うことはあまりない。
それでも本屋巡りは結構する。

ずっとすきなのがこの写真にあるassouline という本屋。
サンジェルマン教会から Rue Bonaparte をセーヌの方に下ると左側にある。
仕事帰りにブラリと寄ることが多い。
ここは、とにかくビジュアル、ファッション系の本が充実。
読むための本、というより、見せるための本棚作りの本、というコンセプトらしい。
中も居心地の良い書斎みたいで、ちょっと薄暗くて落ち着く雰囲気。
ここでパラパラとページをめくる時間の贅沢なこと。
おあつらえむきに、ソファだってある。
しかし、見ないなー。買っている人。
どうやって経営が成り立っているのか本当に不思議なのだが、
ずっとあるので、何とかなっているのだろう。

2009年2月9日月曜日

南仏のアンティーク村 イル・スュル・ラ・ソルグ




二月の終り、女友だち二人と、週末だけの南仏旅行の計画を立てている。
私がフランスに来て以来ずっと仲良くしていたEちゃんが、日本に戻ってしまうため、最後の思い出にと企画した。場所は前に行ったアビニヨンとリュベロン地方に再び。二人ともフランスに十年近く住んでるのに、プロバンスに行ったことがないなんて信じられない。私は二回目になるけど、プロバンスなら隙あらば行きたいのだ。

というわけでTGVのチケットをアビニヨンまで購入した。
パリからの所要時間はたったの2時間40分。乗ってしまえばあっという間だ。土曜日の早朝出発して、日曜の夜遅く帰ってくる。週末を目一杯使うつもり。
一人166ユーロは、いつもより少し高い気がするけど、その週末しか三人がいける日がないからしょうがない。

泊まるところも前と同じ、シャンブルドットだ。


ここが本当に美しくゆったりしたところなのだ。
料金も驚くほどリーズナブル。
なんと南仏風の一軒家を借りても一晩160ユーロ。
三人ならば一人50ユーロで朝食もついていてかなりお得だ。
ベッドルームも二つあり、三人がとてもゆっくりと寝られるのが嬉しい。
リビングルームも、台所も、お庭もついている。そして可愛い犬までいる。
一週間くらいいても飽きなそう。
http://www.granges-du-bosquet.com/

この宿は、イル・シュル・ラ・ソルグという小さな田舎町にある。この舌をかみそうな街、イル・シュル・ラ・ソルグはアビニヨンから車で30分ほどのまさに近郊の町にも関わらず、大都会にはないゆったり、のんびりした雰囲気が漂う。
前回言ったときは全く枚情報もなしに適当にここを選んだのだが、この小さな町がとても南仏らしく美しくて驚いてしまった。ここは別名、南仏のアンティーク村。


石畳の通りにはアンティーク雑貨、骨董品屋さんがずらりと並び、街を歩いているだけで骨董&雑貨好きの私にはまさに天国。
古い家具や雑貨が山のように積まれていて見ているだけで退屈しない。
「ソルグ川の上の島」という名前が表すとおり、運河が街の中を通っていて、綺麗な水が流れていて気持がいい。運河沿いにはカフェがあり、人々は山盛りのサラダなんかを食べている。
そして日曜日には運河沿いにマーケットが開かれる。
この日曜市はプロバンス地方で一番大きなものの一つらしくかなりの賑わい。

絞りたてのオリーブオイル。ドライ・ラベンダー。手作り蝋燭や石鹸。
鍋や食器も売られている。
欲しいものが一杯で本当に困ってしまうくらい。この時友人は刺繍がとても繊細なベッドカバーを購入。
私は香りつきキャンドルや、蜂蜜、スパイスなんかを買いました。残念ながら大きなものは買えず。だって持って帰るの大変なんだもん。
週末ののみの市だけでオープンするショップは3000軒以上という規模。
もちろん、パリのクリニャンクールなんか行くよりよっぽど安くていいものが揃っている。
なんで日本のガイドブックには書いていないのかフシギなくらい魅力的な街です。

もうすぐ再びあそこに行けると思うととてもワクワクする。
そして、友だち二人にもあの素敵な風景を見せられるのがとっても嬉しい。二人とも喜んでくれるかな?

そしてハイライトはなんと行っても小さな村めぐり。メネルブやごるど、セナンク修道院やラベンダー畑など。も見所一杯のプロバンスです。

2009年2月1日日曜日

今年も学生になめられる

冬の恒例、ソルボンヌ大学の授業が始まって、何かと慌しい。
一回三時間、それも英語でしゃべりまくるにはそれなりに体力も気力も必要なので、仕事以外のことはあまりせずぼんやりと過ごしている。

昨日は二回目の授業だった。
今年もやはり生徒になめられているようだ。どうも前年度の生徒から「あの先生はちょろい」と聞いているに違いない。男の子たちは、遅刻して来た上に、一時間もすると煙草を吸わせろと騒ぎ出す。女の子たちも、お腹が空いて、疲れているようでどうも集中していない。毎年やっているケーススタディを解けないグループが続出。初めての事態に少し狼狽。授業がつまんないのかと思いきや、「いやー、すごく面白いよ!」とか言うので余計に厄介だ。

あのねー、学生たちよ、本職の仕事をした後に、ほとんど手弁当で郊外のキャンパスまで行く身になってほしい。あたしが時間通りに来てるんだから、みんなだって来てよ。お腹が空いて集中できないんだったら、来る前になんか食え!煙草は体に悪い!と愚痴ばかり出る三年目。。。大学事務局によると去年二年は学生投票により、学部の最も人気が高かった授業にランクしたらしいが、学生を見ている限り、そういう実感はほとんどわかず・・・。

思えば一年目は最高だった。教えることも面白かったし、学生もすごく集中していた。私自身は三年間ほとんど授業内容を変えずに教えているので私の問題というよりも学生の問題のように思うのだが、どうなんだろう。やっぱり日本人で、女性だからかな、という考えがフトよぎって、それを慌てて打ち消してみる。

来年続けるということはほとんどないけどもしそういう事態になったら、自分の中にもう少し厳しい一面がないと学生を統制できないような気がする。でも自分にはそいう厳しさが全く欠如しているので、やっぱり大学の先生には全く向いていない、という結論に至る。

三年間大学で教えてみてよかったことって何だろう、と昨日の帰り道考えていた。もちろん自分にとってえらい勉強になったことは言うまでもない。それまで体系だてて考えたことがなかった雑多な考えをまとめるすごく良い機会だった。後は面白い学生に出会ったこと。最後に、やっぱり人前で3時間も外国語で話すことで、話すことへの緊張感がまるでなくなったことだ。この経験がなんの役に立つのかは全くわからないけど、とりあえずやって良かった、ということだけは間違えなさそうだ。